名前をもらった前夜

2022年12月より、『架空性悪キャバ嬢のぶろぐ。』の執筆を始めました。

これは「むつ」が書く、二つ目の文集です。

「面白さ」とは何か。

文章に毒を盛ることなんじゃないか?

そんな発想から生まれたのが、どこにでもいそうで、どこにもいないキャバ嬢——「かれん」。

モデルは、錦三丁目のとあるニュークラブで出会った女性。

山梨で生まれ、長野の鍼灸専門学校を出て、名古屋へ向かった。

恋をして、働いて、傷ついて、

それでも笑おうとしていた、どこにでもいるひとりの女の子。

彼女は、もし私が女に生まれていたら、こう生きたかった——という理想そのものであり、私のもう一つの姿でもあります。

かれんの口から語られる言葉は、私が見聞きした夜の現実と、彼女と生きた時間の結晶です。

憧れと感謝を込めて、私は彼女から名前を借りました。

下書きを見せ、名前を使っていいか尋ねたあの夜、彼女は笑って「いいよー」と言いました。

その一言が、“かれん”をこの世に生み落としたのだと思います。

愛沢えみりから「愛」をもらい、

錦のママから「愛咲かれん」と名付けられた、あの子の人生が、少しでも美しく響くように。

この物語はフィクションです。

けれど、書かれている言葉のいくつかは、本当に彼女が夜に呟いたものかもしれません。

もし、これをどこかで読んだ“あなた”が、

少しでも笑ってくれたなら——

それが、私の本当の目的です。

土曜日に投稿します。

それでは、今日も楽しくいきましょう。

 

 

相沢睦