ある日。
街頭モニターから「東海地方は今日梅雨入りしました」と女性アナウンサーの声。雨、雨、大雨、雨、大雨。お天道様はどうやらご機嫌ナナメのご様子。
とはいえ、今年の梅雨はそれほど憂鬱ではない。数ヶ月前に見つけた「形原温泉あじさい祭り」が楽しみでたまらないからだ。
少し興奮気味でゆっくりと検索すると、赤字で「「第３２回形原温泉あじさい祭り」中止のお知らせ」の文字が最初に出てきた。
それもそのはず。人々はCOVID-19の蔓延で外出を制限され続ける。世はまさに大自粛時代。
もはや外出は不謹慎と云う風潮すらある。
ただ、諦めの悪い連中は必ずいる。そんな時必ず思い出すニュースがある。
2006年、ハンカチ王子が流行語になった次の日の報道ステーション。夏の甲子園決勝戦「駒大苫小牧対早稲田実業」のチケットが取れなかった人たちが、近くの小高い丘から双眼鏡越しに観戦する姿がうつった。褒められることではないが、このくらいの諦めの悪さも時には必要だと感心したものだ。
しかし、形原の対応は凄まじい。
なんと、すでに花は全て剪定済みだというのだ。中止しても勝手に園に侵入する輩がいるのは想定済みで、今年は紫陽花すら咲かない。
どうやら今年も憂鬱な梅雨になりそうだ。
中止のお知らせ 相沢睦
脚注
●形原温泉・あじさいの里
http://www.katahara-spa.jp/