ある日。
仕事終わり。夜道を歩いていると、遠くから何か、微かに聞こえる。
それは、徐々に迫ってくる。
田舎の夜道。音の鳴る車は知れている。パトカー、救急車、消防車、それとDQN車。
離れていても眩いネオンをギラギラ放ち、音楽を爆音で響かせる白のヴェルファイア。
目立ちたい。そんな気持ちがわからない訳ではない。しかし、ウトウトした時に、家の前で信号待ちでもされようものなら、30分は眠れなくなる。
「無視すればいい。大人の対応、大人の対応…… 」
「ん?」
馴染みがある。そんな気がして、耳を澄ませた。
「……ォレンジが眩しすぎる〜♪」
いやいや、空耳でしょう。
「忘れられない青空みつめる〜♪」
なんと私の推しの大好きな曲じゃあ、ありませんか。
寒空の中、窓を全開にして爆音で『向日葵』。さてはまなこファンに違いない。
「布教活動ご苦労様です。ヴェルファイアに向かって敬礼ッ」
心の中でそう叫ぶと、騒音の感覚はなくなった。
車の姿は小さくなり、音が聞こえなくなった頃。
ふと、思った。
「運転手は『向日葵』の歌詞を知っているのだろうか?」
迷惑な車と推し 相沢睦
脚注
●manaco『向日葵』
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まなこ
踊ってみた動画を中心にゲーム配信や私生活いろいろ!など… オリジナル振り付けやカバーなどもしていきます どしどしリクエストをコメントに書き込んでくださいっ いつもみてますありがとう〜〜〜 また振り付けのご依頼やお仕事のご依頼はメールにてお願...